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子どもの学習スタイルを見極める方法|元教員が教える家庭学習のコツ

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お子さんの勉強を見ていて「なぜうちの子は覚えられないのだろう」と感じたことはありませんか。同じ内容を教えても、すぐに理解する子もいれば、なかなか定着しない子もいます。実は、子どもには生まれ持った「学習スタイル」があり、それを理解することで学習効果は大きく変わります。

\この記事で分かること/

☑ 子どもの「学習タイプ(視覚・聴覚・体感覚)」を見極める具体的な方法
☑ タイプごとに効果的な家庭学習の進め方と環境づくり
☑ 学習タイプに合わない指導がもたらすつまずきの例
☑ タイプが混在している子への柔軟な対応方法
☑ 元教員が実践してきた、日常の中で自然にタイプを見極めるコツ

目次

なぜ学習タイプを知ることが大切なのか

一人ひとりの「得意な受け取り方」がある

人間の脳は、情報を受け取る際に使う感覚器官によって、理解度や記憶の定着率が大きく変わります。これは心理学や脳科学の研究でも明らかになっており、主に以下の3つのタイプに分類されます。

視覚優位タイプは、目で見た情報を処理するのが得意です。図やグラフ、色分けされた資料などを使うと理解が深まります。一方、聴覚優位タイプは、耳から入る情報を重視します。説明を聞いたり、音読したりすることで記憶に残りやすくなります。そして体感覚優位タイプは、実際に手を動かしたり、体験したりすることで学習効果が高まります。

苦手意識の本当の原因

多くの保護者の方が「うちの子は集中力がない」「やる気がない」と感じているかもしれません。しかし、実際には学習方法が合っていないために、本来の能力を発揮できていないケースが多くあります。

適切な学習スタイルに出会うと、子どもの表情は驚くほど変わります。「わからない」から「わかった!」への変化は、学習意欲を大きく向上させ、自信にもつながっていきます。

家庭学習での活用価値

学校では一斉授業が基本となるため、すべての子どもの学習スタイルに対応することには限界があります。だからこそ、家庭学習で個々の特性を活かすことが重要になってきます。お子さんの特性を理解することで、限られた時間でも効率的な学習が可能になります。

家庭でできる学習タイプの見極め方

お子さんの学習タイプを知るために、特別な検査や道具は必要ありません。日常の様子を注意深く観察することで、その子の特性が見えてきます。

普段の行動パターンから読み取る

まず、お子さんが新しいことを覚える時の様子を思い出してみてください。視覚優位の子は、教科書や参考書をじっと見つめ、図やイラストに注目します。ノートに絵や図を描きながら説明することも多く、色ペンを使って整理するのが好きな傾向があります。

聴覚優位の子は、音読をしたがったり、親に説明してもらうことを求めたりします。また、音楽を聞きながら勉強することを好み、リズムをつけて暗記することが得意です。集中している時でも、小さな声で復唱していることがあります。

体感覚優位の子は、手を動かしながら考える癖があります。計算の際に指を使ったり、歩き回りながら暗記したりすることを好みます。実験や工作など、実際に体験できる活動に強い興味を示すことも特徴的です。

質問の仕方で確認する方法

日常会話の中で、さりげなく質問を投げかけることで、お子さんの特性を確認できます。

「今日学校で習った算数の問題、どうやって解いたの?」と聞いた時の反応を観察してみてください。視覚優位の子は「こういう図を描いて」と言いながら紙に書き始めます。聴覚優位の子は「先生がこう言っていて」と説明から入ることが多く、体感覚優位の子は「まず、こうやって」と実際に手を動かしながら説明します。

好きな遊びや活動からの判断

お子さんが自由時間に選ぶ活動も、学習タイプを知る大きな手がかりになります。

読書や絵を描くこと、パズルゲームを好む子は視覚優位の傾向があります。音楽を聞いたり歌ったり、友達とのおしゃべりを楽しむ子は聴覚優位の可能性が高いでしょう。スポーツや工作、料理のお手伝いを好む子は体感覚優位の特徴を持っています。

注意すべきポイント

ただし、多くの子どもは複数のタイプの特徴を併せ持っています。「この子は絶対に視覚タイプ」と決めつけず、主な傾向として捉えることが大切です。また、成長とともに変化することもあるため、定期的に観察し直すことをおすすめします。

忘れられない面談での気づき

2年生の女の子のお母さんから「漢字がなかなか覚えられなくて困っている」という相談を受けました。家庭では毎日ドリルをやらせているけれど、テストでは思うような結果が出ないとのことでした。

詳しく聞いてみると、その子は書き取り練習を嫌がり、いつも机に向かうのを渋っているということでした。「でも、好きな歌の歌詞はすぐに覚えるんです」というお母さんの一言が印象的でした。

授業中のその子の様子を改めて観察してみると、新出漢字を習う時には先生の説明をとても集中して聞いていました。そして、漢字の成り立ちや読み方を声に出して確認する場面では、他の子よりも正確に覚えていることがわかりました。その子にとって「聞く」ことが、最も効果的な学習方法だったのです。

視覚優位タイプの子どもへの効果的なアプローチ

視覚優位の子どもは、目から入る情報を整理し、記憶することが得意です。このタイプの子どもには、見た目にわかりやすい学習環境と教材を用意することが効果的です。

学習環境の整備方法

まず、勉強机の周りを整理整頓し、視覚的にすっきりとした環境を作ることが重要です。カラフルすぎる装飾は集中を妨げることがあるため、必要な教材だけを手の届く範囲に置くことをおすすめします。

照明にも配慮が必要です。手元が明るく、影ができにくい環境を整えることで、教科書や問題集の文字がはっきりと見え、疲れにくくなります。また、ホワイトボードや大きな紙を用意しておくと、思考を整理する際に活用できます。

効果的な教材の選び方

視覚優位の子どもには、図表やイラストが豊富な教材が適しています。特に算数や理科では、概念を視覚的に理解できる参考書を選ぶことで、理解度が大幅に向上します。

社会科の学習では、地図や年表、グラフなどを積極的に活用することが効果的です。歴史の流れを視覚的に整理したり、地理的な位置関係を図で確認したりすることで、記憶に残りやすくなります。

国語では、物語の登場人物の関係図を作ったり、文章の構成を図式化したりすることが理解の助けになります。漢字学習においても、部首の意味や字の成り立ちを絵で表現した教材が効果的です。

家庭学習での工夫

家庭学習では、お子さんが自分で図や表を作成する活動を取り入れてみてください。学習内容をマインドマップにまとめたり、重要なポイントを色分けしてノートに整理したりすることで、知識の定着が促進されます。

また、暗記物については、単語カードやポスターなどを作成し、目につきやすい場所に貼ることが効果的です。トイレや洗面所など、日常的に目にする場所を活用することで、自然に復習ができます。

デジタルツールの活用

現代では、タブレットやパソコンを使った学習ツールも充実しています。動画教材やインタラクティブな学習アプリは、視覚優位の子どもにとって非常に有効です。

スタディサプリのような映像授業では、アニメーションやグラフィックを使った説明が豊富で、複雑な概念も視覚的に理解できます。また、学習の進捗状況がグラフで表示される機能は、達成感を視覚的に感じられるためモチベーション維持にもつながります。

聴覚優位タイプの子どもへの効果的なアプローチ

聴覚優位の子どもは、耳から入る情報の処理能力が高く、音やリズムを活用した学習が非常に効果的です。このタイプの子どもには、「聞く」「話す」を中心とした学習環境を整えることが重要です。

音読と反復の活用

聴覚優位の子どもにとって、音読は最も効果的な学習方法の一つです。教科書の内容を声に出して読むことで、視覚情報と聴覚情報が同時に脳に入り、理解と記憶の両方が促進されます。

特に国語の文章読解では、登場人物の気持ちを考えながら音読することで、内容の理解が深まります。また、算数の文章問題でも、問題文を声に出して読むことで、求められていることが明確になり、解答への道筋が見えやすくなります。

暗記学習では、リズムをつけて覚える方法が効果的です。九九や県名、歴史の年号など、メロディーに合わせて覚えることで、長期記憶に定着しやすくなります。

対話を通じた学習

聴覚優位の子どもは、一人で黙々と勉強するよりも、誰かと会話をしながら学習する方が効果的です。家族との対話を通じて、学習内容を整理し、理解を深めることができます。

「今日学校で何を勉強したの?」という質問から始まり、お子さんに説明してもらうことで、知識の整理と定着が促進されます。また、わからないことがあった時には、一緒に考えながら解決していく過程が、聴覚優位の子どもにとって非常に価値のある学習体験となります。

音楽や録音を活用した学習

音楽を取り入れた学習は、聴覚優位の子どもにとって楽しく効果的な方法です。英単語や理科の用語を歌にして覚えたり、歴史の出来事をラップのリズムに合わせて暗記したりすることで、記憶に残りやすくなります。

また、自分の声を録音して聞き返すことも効果的です。音読した内容を録音し、後で聞き直すことで、客観的に自分の理解度を確認できます。発音の練習や、プレゼンテーションの準備にも活用できます。

集中できる音環境の整備

聴覚優位の子どもは音に敏感であるため、学習環境の音にも配慮が必要です。完全に無音の環境よりも、適度な背景音がある方が集中できる場合があります。

クラシック音楽や自然音など、歌詞のない音楽を小さな音量で流すことで、集中力が高まることがあります。ただし、お子さんの反応を見ながら調整することが大切です。

職員室での発見

昼休みに職員室で採点をしていた時のことです。廊下から九九を唱える声が聞こえてきました。見ると、4年生の男の子が一人で歩き回りながら、リズムに合わせて九九を練習していました。

その子は授業中の計算では時間がかかることが多く、心配していた子でした。しかし、その時の九九はとても正確で、リズムも軽やかでした。「どうして歩きながら練習しているの?」と聞くと、「歩きながらだと覚えやすいんです」と答えてくれました。

後日、お母さんにその話をすると「家でも歩き回りながら勉強していて、注意していました」とのことでした。その子にとって、体を動かしながら声に出すことが、最も効果的な学習方法だったのです。

体感覚優位タイプの子どもへの効果的なアプローチ

体感覚優位の子どもは、実際に手や体を動かすことで学習効果が高まります。このタイプの子どもには、体験的な学習や実践的な活動を多く取り入れることが重要です。

体を使った学習方法

算数の学習では、実際に物を使って数の概念を理解させることが効果的です。おはじきやブロック、身近な物を使って計算問題に取り組むことで、抽象的な数の概念を具体的に理解できます。

分数の学習では、実際にりんごやケーキを切って分ける体験をすることで、分数の意味が直感的に理解できます。また、測定の学習では、実際に物差しやメジャーを使って長さを測る活動が理解を深めます。

実験や工作を通じた学習

理科の学習では、実験や観察活動が体感覚優位の子どもにとって最も効果的です。植物の成長を観察したり、簡単な実験を行ったりすることで、科学的な概念を体験的に理解できます。

社会科でも、実際に地域を歩いて調べ学習をしたり、昔の道具を使ってみたりする体験が、知識の定着に大きく貢献します。また、歴史の学習では、当時の生活を再現する活動が理解を深めます。

書く活動の重要性

体感覚優位の子どもにとって、「書く」という行為も重要な学習活動です。ただし、単純な写し書きではなく、考えながら書く活動が効果的です。

日記を書いたり、学習したことを自分の言葉でまとめたりすることで、知識の整理と定着が促進されます。また、漢字学習では、空中に大きく書いてから紙に書く方法が効果的です。

デジタル機器を活用した体験学習

タブレットやスマートフォンのアプリを使った学習も、体感覚優位の子どもには効果的です。画面をタッチして操作したり、カメラで撮影して記録したりする活動は、体験的な学習につながります。

スマイルゼミのようなタブレット学習では、画面に直接書き込める機能があり、体感覚優位の子どもにとって親しみやすい学習環境を提供します。また、学習ゲームやシミュレーション機能は、楽しみながら体験的に学ぶことができます。

学習タイプを活かした家庭学習の進め方

お子さんの学習タイプを理解したら、それを日常の家庭学習に活かしていくことが大切です。無理に変えようとするのではなく、その子の特性を伸ばす方向で取り組むことが成功の鍵となります。

学習環境の個別最適化

まず、お子さんの学習タイプに合わせて学習環境を整えることから始めましょう。視覚優位の子どもには整理整頓された静かな空間を、聴覚優位の子どもには適度な音がある環境を、体感覚優位の子どもには動きながら学習できるスペースを確保することが重要です。

机の高さや椅子の調整も、体感覚優位の子どもには特に重要です。足がしっかりと床につき、背筋を伸ばして座れる環境を整えることで、集中力が向上します。

時間配分と休憩の取り方

学習タイプによって、集中できる時間の長さも異なります。視覚優位の子どもは比較的長時間集中できることが多いですが、体感覚優位の子どもは短時間で区切りながら学習する方が効果的です。

15分から20分の学習時間を設定し、間に短い休憩を挟むことで、どのタイプの子どもも効果的に学習を続けることができます。休憩時間には、軽く体を動かしたり、好きな音楽を聞いたりすることで、リフレッシュ効果が得られます。

復習方法の工夫

学習タイプに応じて復習方法も変える必要があります。視覚優位の子どもには、学習内容を図やグラフにまとめ直すことが効果的です。聴覚優位の子どもには、学習した内容を誰かに説明したり、音読で復習したりすることが有効です。

体感覚優位の子どもには、学習内容に関連した実践活動や、実際に問題を解く練習を多く取り入れることで、知識の定着が促進されます。

親子のコミュニケーション

学習タイプを理解することで、親子のコミュニケーションも改善されます。お子さんがどのような方法で理解しやすいかを知ることで、適切なサポートができるようになります。

「どうしてわからないの?」ではなく、「どんな方法だったらわかりやすい?」という問いかけに変えることで、お子さん自身も自分の学習スタイルを意識するようになります。

よくある質問と回答

Q: 学習タイプは変わることがあるのでしょうか?

A: はい、成長とともに変化することがあります。特に小学生の間は脳の発達が活発なため、主要な学習タイプが変わったり、複数のタイプを併せ持つようになったりすることがあります。定期的に観察し、柔軟に対応することが大切です。

Q: 一つのタイプに決めつけて学習を進めても大丈夫でしょうか?

A: 一つのタイプに固定して考えるよりも、お子さんの反応を見ながら複数のアプローチを試すことをおすすめします。多くの子どもは複数の特性を持っているため、様々な方法を組み合わせることで、より効果的な学習が可能になります。

Q: 学習タイプに合わない指導を受けている場合、どう対処すればよいでしょうか?

A: 学校の指導方針を変えることは難しいですが、家庭学習でお子さんの特性に合った方法を取り入れることで補完できます。担任の先生に相談し、お子さんの特性を理解してもらうことも重要です。家庭と学校が連携することで、より良い学習環境を作ることができます。

学習タイプを知ることは、子どもとの対話を深めるきっかけに

子どもの学習タイプを知ることは、ただ勉強の効率を上げるためだけではありません。
その子らしい「わかり方」「伝わり方」に気づくことは、日々の関わりそのものを優しく、豊かにしてくれます。

「どうして分からないの?」ではなく、「どんな伝え方なら届くのかな?」と考える視点に立つことで、親子の距離が少しずつ近づいていきます。

学習タイプは固定されたものではなく、成長とともに変化することもあります。だからこそ、今のその子に目を向け、関心を持ち続けることが、何よりの家庭学習サポートになります。

お子さんの学習タイプを理解し、それに応じた環境を整えることで、学習効果は大きく向上します。大切なのは、その子らしい学び方を見つけ、それを伸ばしていくことです。焦らず、お子さんのペースに合わせながら、楽しく学習を進めていってください。

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この記事を書いた人

めい先生|教育(小学校)記事担当
study365ライター:子どもの学び担当
小中学校の勤務歴をもつ元教員。ベテランですが年齢非公表。担任、教科指導、特別活動、総合的な学習の時間、生徒会、進路指導の校務経験が多いです。1児の母です。

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